リングで輝いたエメラルドの追憶 ～その2～

深い悲しみが訪れた週末が過ぎて、いつもように月曜日の朝を迎える。
いつものように仕事をこなさなければならないのに、身が入らない。。。

こんなことじゃいけないんだよね。
貴方は、そういう無責任な事が一番嫌いだもんね。

我々なんかより、もっと深い悲しみに襲われているNOAHのレスラー達だって、
それを乗り越えるべく、興行を行っているんだもの。

でも、何とか仕事をこなしながらも、貴方が歩んできた道を
振り返る事くらいはさせてもらうよ。。。





貴方の存在を強く認識し始めたのは、虎の仮面を被った頃からかな。。。

1984年8月26日　田園コロシアムでのvsラ・フィエラ戦。
2代目タイガーマスクとして、我々の前に颯爽と現れた貴方。
初代よりも大柄でありながら、初代に引けを取らない動きを見せた。

しかし、結局その初代の”呪縛”から逃れられなかった・・・。
貴方の活躍に対する評価基準は常に初代との比較。
投げ技にしても、打撃にしても、空中殺法にしても、
必ず「初代と比較して…」という枕詞がついていた。

そういった比較を避けるためなのか、ヘビー級に転向した貴方。
しかし、怪我などもあって、思うような活躍が出来ないまま時が過ぎる。
折りしも、当時の全日本は天龍革命の真っ只中。
その大きなうねりに飲み込まれるかの如く、貴方の存在感は徐々に希薄に・・・。

きっと、色んな葛藤があったことでしょう。もがき苦しんでいたことでしょう。
でも、そんな貴方の苦しみはマスクに隠されて、我々は汲み取ってあげられなかった。

虎時代の最後は、田上や仲野達と”決起軍”なるものを結成。
しかし、何も結果が出せない状況に業を煮やした馬場さんに
「一体、何を決起するんだ？」という厳しい言葉を投げかけられ
結成から1年経たずに、解散に追い込まれてしまうことに。。。




この時点では、貴方がプロレス界の頂点に立つ存在になるなんて
正直なところ、思いもよらなかった・・・。

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